霊枢「動輸篇」

「十二経脈のうち、太陰肺経、陽明胃経、少陰腎経の三経脈だけ拍動して休止しないのはどうしてか?」
・胃の気と脈の拍動の関係によります。
胃は五臓六腑の栄養の源であり、水穀の精微が変化して生じた精気は、上行して肺に注ぎ、肺気は十二経脈を循行していきます。
運行は人の呼吸にしたがって往来するので、人が一呼する間に脈は二度拍動し、一吸する間に脈は二度拍動します
呼吸は停止しないので、脈の拍動も停止しないのです。

「脈気が寸口を通過するとき、来るとき(肘の方から)は強いが去るとき(手の方へ)は弱い、それはなぜか?」
・脈気が内部の蔵から外部の経脈へ流注するときは、弓の矢が突然弦を離れるときのように迅速であり、はじめのうちは脈気は強くて盛んですが、魚際に上った後は、勢いは衰える現象がおこる
ただ、衰えても逆行し上っていくので、運行する脈気は微弱である。

黄帝曰 足之陽明 何因而動 
岐伯曰 胃氣上注于肺 其悍氣上衝頭者 循咽 上走空竅 循眼系 入絡腦 出顑 下客主人 循牙車 合陽明 并下人迎 此胃氣別走于陽明者也 
故陰陽上下 其動也若一 
故陽病而陽脉小者爲逆 陰病而陰脉大者爲逆 
故陰陽倶靜倶動 若引繩 相傾者病 

黄帝曰 足少陰何因而動 
岐伯曰 
衝脉者 十二經之海也 
與少陰之大絡 起于腎 下出于氣街 循陰股内廉 邪入膕中 循脛骨内廉 並少陰之經 下入内踝之後 入足下 
其別者 邪入踝 出屬跗上 入大指之間 注諸絡 以温足脛 此脉之常動者也

(・∀・)原文乗っけときます!
決して翻訳を乗せるのがめんどくさかったからじゃないんだからね!!

「営気と衛気の運行は上下が貫通していて、円環のように起点のないものである。
唐突に外邪や厳しい寒さに遭遇して四肢に留停すれば手足に力がなくなる。このような場合、営衛の気はどのように循環するのか?」
・四肢の末端に陰陽が会合するところがあり、また営衛の気が通行する大道でもあります。
4つの気街は営衛の運行するときに必ず通過する経路であります。ですから小絡脈を閉塞すれば、4つの気街のような経路が通じて、営衛の気の通常の運行を代償します。
四肢末端の邪気が排除され、絡脈がまた通じるようになれば、気はまたここを通って輸送され会合され、円環のように、周回してはまたはじまり、休むことなく運行するようになります。

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