霊枢「営衛生会篇」
人体の精気は食べ物が源
食べ物は胃に入って消化、脾の作用によってその精微の気が吸収され、上って肺に行き、そこから五臓六腑に栄養として供給されます。
精気のうち聖粋な部分を「営」で経脈の中を運行
濁ってすばやく荒々しい部分を「衛」で経脈の外を運行
それぞれ五十周した後に両者は会合
衛気は陰の分野を二十五周、陽の分野を二十五周と昼夜で循行する
営気は中焦から、衛気は上下焦からでます。
上焦は胃の上口の噴門から出て、食道と並行して咽喉に上り、横隔膜を貫通して胸中に分布します。それから横に走って腋下に出て、手の太陰肺経に沿って循り、もどって手の陽明大腸経に至り、上に向って舌に至り、下行して足の陽明胃経を循ります。
衛気は営気と同様に昼間は陽分を25周し、夜間は陰分を25周します。これが昼夜の一周であり、したがって衛気は50周して全身を周り、再び太陰肺経で営気と会するのです。
中焦の気が出る部位は胃の並列して、上焦の後にあります。その機能は精気を吸収し糟粕を分泌して津液を蒸し出して、精微物質を生成します。その後、上に向かって肺経に伝注し、再び変化して血となり、全身をめぐって生命を維持するのです。これは人体内部で最も貴重な物質です。
これだけが経脈の中を運行し、これを営気と呼ぶのです。
衛気と営気は、すべて飲食物の精気であり、血はこの精気が化生した更に貴重な物質
これを「神気」と呼びます。
したがって、血を多量に失った人は発汗量が少なく
また発汗過多の人はその血も少ないのです
下焦は胃から下った水穀の清濁を分別し、糟粕は回腸から下行して排泄されます。
水液は膀胱に注いでその中に滲入します。
ですから、水穀は一緒に胃中におさめられるのですが、消化吸収作用を経て、糟粕は大腸におくられ、水液は膀胱に滲入するのです。
酒は穀類を発酵させて醸成した液体なので、その吸収は素早い
上焦は精気を全身にひろめる
中焦は食物を腐熟消化
下焦は老廃物を排泄する