霊枢「刺節真邪篇」⑰
虚邪が人体の深部に侵入すると、寒と熱とが互いに戦い、久しく留まって去らず、内部に定着します。
もし、寒が熱に勝つと、骨節の疼痛を引き起こし、肌肉が枯れて萎縮します。
もし、熱が寒に勝ちますと、肌肉が腐爛して化膿し、さらに深く侵入して骨を傷害します。
さらに深く骨を傷害しますと、骨触を起こします。
邪気が筋の間に長く留まって退かなければ、筋瘤を生じます。
邪気が内に集結し、真気が内に向かってゆき、局部の衛気も停留して出ることができなくなりますと、津液が外に輸送されなくなり、腸胃に停留して邪気と結合して腸瘤になります。
その成長は比較的緩慢で数年かけて形成され、手でおさえると柔らかく触知されます。
すでに、邪気が集結して気が内部に向かい、津液が停留してめぐらず、そのうえ邪気にあたり、凝結して散ぜず、日々ますます重くなり、積聚に接触すると、昔瘤になります。
その集結部する分が、日々ますます増大すると、骨疽になります。
邪気が集結して肌肉にあり、宗気が内部に向かい、邪気が留着して去らないとき、もし内熱があれば化膿し、もし熱がなければ肉疽になります。