霊枢「癰疽篇」②

「癰疽の形状および、禁忌・予後・名称について教えてほしい」

・咽頭部に発生するものを「猛疽」
治療しないと化膿
膿を出せないと咽喉を塞ぐので半日で死ぬ
すでに化膿したものは膿を出し、豕の膏を配合して冷服させると、3日で治癒します。

・頸部に発生したものを「夭疽」
広範囲に及んで顔色が赤黒くなり、緊急に治療しなければ、熱毒が下って淵腋部に転移し、身体前部の任脈を損傷し、内部の肝と肺を薫灼します。
そうなると10日で死ぬ

・陽邪が甚だしく高ぶり、脳髄を消灼して毒邪が項部に滞留凝結して形成されるものを「脳爍」
顔色が暗く、鍼で刺されるように痛みます。
もし、心中悶絶するとなると、死証です。

・肩と上肢のつけ根に発生するものを「疵癰」
痣の色は赤黒く、緊急に治療しなければいけない
この癰にたいする治療は、汗を足にいたるまで出させます。
そうすれば五臓を損傷するにいたりません。
癰が発生して45日後に急いで灸法を行います。

・腋の下に発生し、色が赤くて硬いものを「米疽」
治療は、細くて長い砭石を用い、まばらに砭刺し、さらに豚の膏を塗ると6日で治癒します。
包帯をしてはいけません。
もし、硬くて潰れないときは、それは馬刀、挾癭(瘰癧=結核菌由来のリンパ腫)なので、緊急に治療する必要があります。

・胸部に発生したものを「井疽」
形状は大豆に似ています。
初発から3,4日以内に早期治療しなければ、邪毒が内攻して腹に入り、死証となり7日で死にます。

・臀部に発生したものを「甘疽」
皮膚の青色が現れ、形状は穀粒あるいはトウカラスウリに似て
常に寒熱を発生します。
緊急に治療して、寒熱を退去させなければなりません。
かりに10年延命したとしても、やはり死証です。

・脇部に発生するものを「敗疵」
婦女に多い疾病です。
誤って灸法を用いると、大癰に変じます。
治療後に、その中に赤小豆の大きさの新肉が生長していたら、菱草と連翹の根を各1升取り、水1斗6升を加え、煮詰めて3升とし、強いて熱いうちに飲ませます。
さらに、衣服を重ねて熱い釜の上に坐らせて、汗を出させ、足まで汗が出れば治癒します。

・股脛部に発生するものを「股脛疽」
外見におおきな変化はみられませんが、化膿すると骨膜を腐蝕しますので、緊急に治療しなければ、30日以内に死にます。

・尾骶骨部に発生するものを「鋭疽」
色は赤く、硬くて大きく、緊急に治療する必要があります。
もし、治療しなければ30日以内に死にます。

・大腿内側に発生するものを「赤施」
緊急に治療しないと60日以内に死にます。
両方の大腿内側に同時に発生したものは10日以内に死にます。

・膝部に発生したものを「疵疽」
外見は腫れて大きいですが、患部の皮膚の色に変化はなく、寒熱する。
石のように硬いときは、砭法を用いてはいけない。
もし、あやまって砭法を用いると死にます。
柔軟になるのを待ったあとに砭石で治療すれば救うことがきます。

・おおよそ関節の上下左右に相対的に生じる癰疽は不治の病
陽分に生じるものは100日で、陰分に生じるものは30日で死にます。

・足くびに発生するものを「とげつ」
その外見は赤く、骨部まで深く侵入しるので、緊急に治療する必要があります。

・内踝部に発生するものを「走緩」
外見は癰のようですが皮膚の色に変化はありません。
しばしば、砭石で腫れている部位を刺し、寒熱を退去させれば死ぬことはありません。

・足部の上下に発生するものを「四淫」
外見は大癰ににており、緊急に治療しなければ、100日以内に死にます。

・足傍に発生するものを「厲癰」
初発時は小指大ですが、現れたら緊急に治療して、すでに黒く変化している部分を除去しなければいけない。
除去しなければ、すぐに悪化し、100日以内に死にます。

・足指上に発生するものを「脱癰」
外見に赤黒い色が現れているものは不治の病
赤黒い色が現れていないものは死にません。
病勢が衰退しないものは速やかに切除しないと死んでしまいます。

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