難経「第五十三難」疾病の伝変と予後を論ずる

「医学経典に、次伝するものは死に、間臓伝するものは生きるとあるが、どういう意味か?」

・次伝とは相剋の順によって次々に伝変することであり、ゆえにその勝つ所に伝わるのである。
間臓伝とは臓を隔てて伝わるのであり、これは相生の順序によって、その子に伝わるという意味である。

「どうしてまたそのようにいえるのか?」

・例えば心が病気になると、その病は肺に伝わり、肺より肝に伝わり、肝より脾に伝わり、脾より腎に伝わり、腎より心に伝わる。一つの臓は病邪を二度うけることは出来ないので、次伝の予後は不良であるといえる。

もし心が病気をなって、それが脾に伝わり、脾から肺に伝わり、肺から腎に伝わり、腎から肝に伝わり、肝から心に伝わると、これは子母相伝であり、ひと巡りしてまた始まり、円環に環がないのと同様である。
それで予後は良好というのである。

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