難経「第七十八難」刺鍼における押手と補瀉方法について論ずる

「刺鍼には補瀉があるが、その方法はどのようなものか?」

・補瀉の方法は、必ずしも呼吸に合わせて鍼の出入りを行うものだけではない。
刺鍼を上手に行うものは、押手である左手を信じるが、上手でないものはただ刺手である右手だけにたよっている。
刺鍼時には、まず左手で刺鍼部位を押し按じ、手指で皮膚をはじいて肌肉の張りつめさせてから、さらに爪の甲を押しあてる。
気がこの部位に至ると、動脈の拍動のような形状となって現れるので、このときに爪痕にそって刺入を行う。
鍼下に得気を得てから、鍼を内に推し入れると補法となり、鍼体をゆり動かして上に引き上げると、瀉法になる。
刺入後に得気がなければ、男には鍼を浅く抜き、女には鍼をさらに深く刺入する方法を用いる。
それでも、得気がなければ、これは病邪が深く侵入しているためであり、治療の難しい死証に属する。

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