霊枢「四時気篇」
季節の刺鍼
春は大経と血経と分肉の間際に取穴、病状が重いときは深く、軽いときは浅く刺す
夏は気の盛んな陽経や孫絡に、切皮程度に浅刺
秋は各経の経穴や輸穴に取穴し、邪気が六腑にあれば合穴に取る
冬は井穴か榮穴に取り、必ず深く刺して置鍼
温瘧(マラリヤ様の疾患)
汗が出ない時は熱病治療の五十九の兪穴(霊枢:熱病篇)を取穴
風水病
水腫病治療の五十七の兪穴を取穴する。
飧泄病
脾気虚寒でおこったものは、三陰交、陰陵泉で補法を用いて熱感を覚えるまで置鍼
四肢外側の筋肉が痙攣するときは陽経
四肢内側の場合は陰経に火鍼を用いる
水腫
環跳の下三寸(風市)に取穴し鈹鍼で刺鍼を用いて鍼孔に筒鍼を入れ、水を放水させます
水の出方が緩慢であれば胸内煩悶を訴えることが多く、水の出方が早ければ安静にして一日おきに行い水腫が尽きたら止める
利水薬を併用するが、食事の前後に服薬は避ける。
135日間は脾を損傷しないように、飲食にも注意する。
着痺(湿邪)
治りにくく、慢性的に冷えがあるものは足三里を取穴し火鍼
大腸・小腸の機能失調は三里穴
癩病は腫れた部位に刺鍼し、邪気を排泄させる。常に食事に注意
腹鳴があり、気が胸部に向かって衝き上げ、息苦しくて長くは立っていられないのは、病邪が大腸にあるからで、気海・上下巨虚と上下廉・足三里
下腹部から睾丸にかけて引きつり、腰背部にも痛みが波及し、胸に衝き上げて心臓部が痛むのは、病邪が小腸にあるからで気海穴に結集した邪気を散らし、太陰肺経に取穴して補法をおこない、厥陰肝経に取穴して瀉法を行います。
小腸経の下合穴の下巨虚から邪気を除く
嘔吐し、苦水を吐出し、長い溜息をつき、心中に不安感があっておちつかず、誰かにとらわれている気がして恐れている人は、病邪は胆にあります。
治療は足三里で胃の上逆を降し、同時に少陽胆経の血絡を刺して、胆気の上逆を止めます。
下腹部が腫れて痛み、小便が出にくいのは、病邪が三焦にあって膀胱を抑制しているから、治療は委陽(下合穴)にとります。
もし下腹の腫脹が胃脘部にまで及んでいれば、あわせて足三里に取穴