霊枢「陰陽清濁篇」
「人体の12経脈と自然の12水脈は対応していると聞くが、水の色は青・赤・黄・白・黒と同じではなく、清濁も異なっているのに、人の気血はみな同じである。その対応関係はいかに?」
・気血が同じとすれば、それはすべての人は個性もなく同じ考えや体質となります。そればらば、なぜ戦がおこる状況を発生する可能性があるのでしょうか?
「天下の大勢の人のことを質問したわけではない」
・一人の人の体内にも気の乱れることもありますし、天下の大勢の人の中にも乱を起こす人があります。道理は同じことです。
「人体の気の清濁についてお話をしていただきたい」
・摂取した穀物が化成した気が「濁」であり、摂取した飲料と空気が化成したものが「清」です。
濁は陽の領域に運ばれます、濁気の中の清気は咽頭に上昇
精は陰の領域に運ばれ、清気のなかの濁気は下降する
もし、清気と濁気が混じり合って別々に行かない場合、昇降に異常が起こります。これを「乱気」といいます。
「陰は精で陽は濁、濁気の中に清気があり、清気の中に濁気があるといわれるが、どのように区別するのか」
・気は大別すると、清気は上って肺に注ぎ、濁気は下降して胃府に走行するものです。
胃府の濁気が変化して生じた濁気は、さらに口に上昇
肺蔵の清気が変化して生じた濁気は、さらに下がって経脈に注ぎ、内部の気海に集まります。
「陽経が全て濁気ならばならば、どの経が一番盛んなのか」
・手の太陽経(小腸)が一番盛んで
手の清気が盛んなのは手の太陰経(肺)
清気は上って空竅(体表にある穴。。目とか鼻とか)にいき、濁気は下って諸経にいく
諸陰経は清気でありますが、足の太陰だけは濁気を受けています(清中の濁)
「清濁の気に対する刺法は?」
・清気は滑らかで、濁気は渋っています
ですので、陰経を刺すときは深く刺して置鍼
陽経を刺すときは浅く刺してすぐに鍼を抜かなければいけない
もし、清濁が互いに侵し合って乱れるときは、原則に鑑みて治療法を勘案しなければなりません。