霊枢「行鍼篇」

九鍼の技術を用いて百姓を治療したところ、百姓の血気の盛衰の相違があり、刺鍼したあとも反応は一様ではなかった。
ある人は精神が激動しやすく、鍼を刺入するやいなや反応がある
ある人は鍼を刺すとすぐに気を得る感覚がある
ある人は鍼を抜いた後に反応がある
ある人は鍼を数回刺したあとで、ようやく反応がある
ある人は鍼を抜いた後に悪い反応が現れる
ある人は幾度か刺鍼すると病状が悪化する
その道理はなぜか?

・重陽の人は精神が激動しやすく、刺鍼すると速やかに気を得ます。

「重陽の人とは?」
・重陽の人は感情が豊かで、火のように情熱的で、性格が高慢で人に屈せず、喋り方が朗らかで流暢であり、歩き方は踵を高く挙げて伸びやかであり、心肺の二蔵に気の余りがあり、陽気が滑らかで盛んなので気を発散させています。
それゆえ、精神が激動しやすく刺鍼したときも気を得る

「重陽の人の中でも、精神が激動しやすいわけでも、気を得ることが速やかではないものもいる、それはなぜか?」
・それは陰気がすこぶる多い人

「それを知るにはどうすればいいのか?」
・陽の多いものは精神が爽快で、常に喜悦の感情がある
陰の多いものは性格が沈黙で怒りの感情を抱くことが多く癇癪を起こすがすぐに機嫌をなおす

「ある人は鍼をしたときに、ちょうどよい時に気を得るが、それはどうしてか?」
・それは陰陽が強調し、気血が潤沢で暢やかなので、すぐに気を得ることができるのです。

「ある人は鍼を抜いてからやっと反応が現れるが、これはどのような気の作用によるものか?」
・陰が多くて陽が少ない、陰の性質は沈で、陽の性質は浮、陰が盛んであれば沈潜し収蔵する、それゆえ鍼を抜いたときに陽気が鍼に随って浮上するので、ようやく反応が現れる

「数回鍼を刺してから、ようやく反応が現れるのはどうしてか?」
・その類の人は陰が多く、陽が少ない、その気は沈潜し収蔵していて至り難いのです

「ある人は、鍼を刺すとすぐに好ましい反応が現れるがそれはどうしてか?」
・気逆のような好ましくない反応が現れると、数回刺鍼したあとに病状が悪化するのは、どちらも患者のせいではなく、医者の軽率のためにおこした、技術上の過誤のためである

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