素問「刺法論篇」

天元の法則を理解すれば、気の異常によって生じる病苦を除くことができる。

昇るべきして昇らない場合、大変に良くない変化が訪れる。

・厥陰・風・木が、地の右側から上昇して天の左にあるべきなのに、天の金気が妨害すると上昇ができず、抑圧された木は、鬱滞して害を及ぼす→太敦を刺せば予防できる

・少陰・君火(相火)が上昇すべきときに、天の水気がその上昇を妨害すると、火は抑圧され鬱滞して害を及ぼす→労宮を刺せば予防ができる

・太陰・湿・土が上昇すべきときに、天の木穴が上昇を妨害すると、土は抑圧され鬱滞して害を及ぼす→太白を刺せば予防できる

・陽明・燥・金が上昇すべきときに、天の火気が上昇を妨害すると、金は抑制され鬱滞して害を及ぼす→経渠を刺せば予防できる

・太陽・寒・水が上昇すべきときに、天の土気が上昇を妨害すると、水は抑制され鬱滞して害を及ぼす→陰谷を刺せば予防できる

降りるして降りない場合も予防するには

・厥陰・風・木が、天の右側から地の左側に下降するはずなのにあ、地の金気が行く手に塞がって下降を妨害すると降ろうとしても入ることができず、木は必ず鬱滞を起こします。
下降させるためには木に勝っている金気をくじかないといけない→少商・曲池を刺せば良い。

・少陰・君火と少陽・相火とが司天の右側から在泉の左側から下降すべきなのに、地の水気が行くてに塞がり降れなくなる→湧泉・委中を刺せば良い

・太陰・湿・土が司天の右側から在泉の左側から下降すべきなのに、地の木気が行くてに塞がり降れなくなる→太敦・陽陵泉を刺せば良い

・陽明・燥・金とが司天の右側から在泉の左側から下降すべきなのに、の金気が行くてに塞がり降れなくなる→中衝・天井を刺せば良い

・太陽・寒・水とが司天の右側から在泉の左側から下降すべきなのに、地の土気が行くてに塞がり降れなくなる→隠白・足三里を刺せば良い

前年の司天の左側が今年になっても令を行うことが出来ずに気化が正常でなくなり、万物の生々も常態を保ちえず、人々に疾病が生じた場合、予防は可能なのか?

・前年の司天である、太陽・寒・水が引き続きその権力を行使すると厥陰・風・肝は役目を果たすことが出来ない→行間を瀉せばよい

・前年の司天である、厥陰・風・肝が引き続きその権力を行使すると少陰・君火は役目を果たすことが出来ない→労宮を刺せばよい

・前年の司天である、少陰・君火が引き続きその権力を行使すると太陰・湿・土は役目を果たすことが出来ない→大都を刺せばよい

・前年の司天である、太陰・湿・土が引き続きその権力を行使すると少陽・相火は役目を果たすことが出来ない→液門を刺せばよい

・前年の司天である、少陽・相火が引き続きその権力を行使すると陽明・燥・金は役目を果たすことが出来ない→魚際を刺せばよい

・前年の司天である、陽明・燥・金が引き続きその権力を行使すると太陽・寒・水は役目を果たすことが出来ない→然谷を刺せばよい

不退位の道理と予防を教えてほしい
(前年の司天の気が多すぎて余り、引き続きその権力を行使すること)

・巳と亥の司天の気が余って、超過状態となった場合、子と午になっても厥陰・風・木が退位せず、人にとっては肝気が余ってしまう→曲泉を刺すべき

・子と午の司天の気が余って、超過状態となった場合、丑と未になっても少陰・君火が退位せず、人にとっては心気が余ってしまう→曲沢を刺すべき

・丑と未の司天の気が余って、超過状態となった場合、寅と申になっても太陰・湿・土が退位せず、人にとっては脾気が余ってしまう→陰陵泉を刺すべき

・寅と申の司天の気が余って、超過状態となった場合、卯と酉になっても少陽・相火が退位せず、人にとっては三焦の気が余ってしまう→天井を刺すべき

・卯と酉の司天の気が余って、超過状態となった場合、辰と戌になっても陽明・燥・金が退位せず、人にとっては肺気が余ってしまう→尺沢を刺すべき

・辰と戌の司天の気が余って、超過状態となった場合、巳と亥になっても太陽・寒・水が退位せず、人にとっては腎気が余ってしまう→陰谷を刺すべき

剛干と柔干が守りを失い、その司天・在泉が正しくないと、司天・在泉・中運の気はすべて虚になるのか?人々に疾病が生じるのか?避ける方法は?

「司天・在泉の気の変換は剛柔失守の状況をもたらし三年ほどで時疫を流行させますが根源を探れば必ず避ける方法があるものです。」

・甲子司天の年に剛柔が守りを失ったして、四季の順が寒温の宜しきを得ません。気候は時令と相応じなくなります。このようにして三年程すると、大疫病が発生する。
予防のために、土疫がやってくる時は、水蔵が傷われる恐れがあるので、腎兪に補法を施し、三日後に太白を刺し、土気の鬱をのぞく。
もし、下位の己卯が正しくならず、司天の甲子が孤立した場合、三年程で土癘が発生する。
治療方法は同じだが、刺し終わってから七日の間は遠出や夜歩き、油物を食べてはいけない、締め切った部屋に静居し、心静かに休養すれば再び発症することはない。
もともと、腎に病気のある人は午前三〜五時に南を向き、雑念を払い、我慢して七回連続で気を吸って、吐くことはせず、首を伸ばして硬いものを飲み込むように嚥下します。
このようなことを七回くりかえしたのち、舌下の津液を何回も何回も飲み込むのです。

・丙寅司天の年に剛柔が守りを失ったとして、水運大過になります。自然界の気候が異常になるのです。このようにして三年程すると、疫が発生する。
予防のために、水疫がやってくる時は、火蔵が傷われる恐れがあるので、心兪に補法を施し、五日後に陰谷を刺し、水邪をのぞく。
もし、在泉の辛巳が司天に従って正しくならないものを失守といい在泉の運気を空虚にし、三年程で水癘となる。
治療方法は同じだが、刺し終わってから過度の喜びと七情六欲といった心の乱れを避けるべきで、七日間安静にして休養させ心の状態を地についたもにするため空想を抱いてはいけない。

・庚辰司天の年に剛柔が守りを失ったして、乙庚は金運で剛柔の守りを失って上下が呼応しないため、前年司天の陽明・燥・金が退かず、在泉の火は今年の中運の金に勝ち、上下の勝ちが乱れる、これを失守と呼び、天運の変化が異常なまま、三年程すると、大疫病に変わる。
予防のために、金疫がやってくる時は、木蔵が傷われる恐れがあるので、肝兪に補法を施し、三日後に経渠を刺し、金邪をのぞく。
刺し終えたら、心静かにして七日間過ごすべきで、大怒は禁忌である。もし怒ると真気が消耗し虚になり、また下位の在泉乙未が正しくならず乙未が守りを失い、上位の庚辰が独りで司天となってしまい、失守となってしまう。
天運が孤主の年が三年続くと疫癘を生じ、金癘と呼ばれる
治療方法は同じだが、肝はやわらぐことを喜ぶので、怒りを発することなく、肝気を守り、金邪が勝って害を及ぼすのを防がなくてはいけない。

・壬午司天の年に剛柔が守りを失ったとして、陽年だからといって陽年は大過、陰年は不足という法則どおりにはいきません。三年程すると大疫が発生します。
予防のために、木疫がやってくる時は、土蔵が傷われる恐れがあるので、脾兪に補法を施し、三日後に太敦を刺し、木邪をのぞく。
刺し終えた後、酒をたくさんのんだり、歌を歌って騒いだりしてはいけません。
さもないと気を消耗させます。
大食したり、生の物を食べてはいけない。
脾気が鬱滞することなく充実するようにしたければ、長時間座ったりせず、適度に運動し、過度に酸っぱいものを食すのを避け、甘とか淡の味を持つ食物を摂取すべきである。
また、在泉の甲子、丁酉が守りを失い正しくならず、在泉が司天と合わないので、三年程で疫癘が発生する。
治療方法は同じです。

・戊申司天の年に剛柔が守りを失ったします。戊癸の年は火運で陽年ですが、剛柔が守りを失いますと、陽年でも大過するとはいきません。
気候は異常になり病邪が襲ってくるのです。
このようにして三年程すると、火疫が発生します。
予防のために、肺兪に補法を施します。
刺した後七日間は、心を落ち着けて静養し、ひどく悲しむことを避けます。
運気と在泉とが空虚になると火癘が発生する。

五疫が発生すると、人々に伝染し、大人であれ子供であれ病状は同じである。
いままでの刺法がつかえない場合どのような方法を使えばよいか?

・伝染しない者は、正気が内に充実しているので、外邪が侵侵できないのである。また疫毒を避ける方法の別法として、疫毒を鼻孔から入れ、鼻孔より出せれば良く、その為には正気を脳から出せば、外邪の侵犯は受けなくて済みます。
所謂、正気を脳から出すとは、病家に入る前に、心を鼓舞して恐れの念を払い、
太陽の光のように陽気に充ち溢れた自分を想像する。
そして病室に入る前に、肝より一種の青い気がでて東に向かい左行し、林の木々のように盛んであるのを想像し、肝気を盛んにします。

・次に一種の白い気が肺蔵より出て、西に向かい右行し戈のように厳しい様を想い、肺気を充実させるべし。

・次に一種の赤い気が心より出て、南に向かい上行し火焰の様を想い、心気を充実させるべし。

・次に一種の黒い気が腎より出て、北に向かい下行し水気の様を想い、腎気を充実させるべし。

・次に一種の黄い気が脾より出て、体内で存し万物を化する土の様になるのを想像すべき。
このように五気の色がで、身体を護るようにした後に、頭上に北斗星のような煌煌とした光を想像し、陽気が充実したら病室に入るべし。
このようにすれば、
疫病から身体を護れるのである。

・春分の日の出前に、吐法を用いても予防することができる。
・雨水節の後に薬湯で三回沐浴し、汗を出すことで予防する事も出来る。
・小金丹方を用いることである。
辰砂二両、水磨雄黄一両、葉子雌黄一両、紫金半両を一緒に容器に入れて、外を封じ一尺の穴を掘って作り、炉を用いず、また製法の定めを用いず、
ただただ二十斤の燃料で燬煉する。
七日経てば冷えるのを待ち、更に七日後に穴から取り出し、翌日客器から出し、薬を直接地中に埋めます。
再び七日過ぎたら掘り出し、毎日研磨して三日目に熱を通した白沙密で梧桐子大の丸薬を作ります。
毎朝東を向き、日華の気を吸いて氷水で丸薬一丸を飲み、気と共に飲み込みます。
十粒続けて飲むことで、伝染せずにすみます。

素問「刺法論篇」” に対して2件のコメントがあります。

  1. しー より:

    こはねさん 訳して下さったのですね!
    ありがとうございます💕小説みた(o^^o)
    五運六きが必ですね

    しかし、この部分てどうして後付けされたのですかね? その時代必要だったのかな?
    こはねさんは今回のコロナ想定内なことおっしゃられてますが、このところの3年間でそう感じたのですか?
    そして、この後はこうなってくだろーなーってもう備えてますか?
    古い人の経験や知恵を上手に活用できたらなってね٩( ᐛ )و

  2. こはねさん より:

    わたしも運気をすべて把握はをしているわけではないので、偉そうに「こうだ!」ということは言えないのですが、2019年の運気は土運が不及(力ない)で木(風)が強い状態でした(司天が風木、在泉が相火)になり、全体的に温暖で風が強い年になるということです
    (運気論やってて思うのですが、難しいね(笑))

    今回のコロナは土運の普及が招いたような気もします。
    コロナの患者さんをみてるわけではないので、なんとも言えませんが脾(土)と湿の関連あるように考えています。
    とある流派の先生も同じようなことおっしゃってましたね。
    (わたしでは絶対に太刀打ちできないところ)

    様々な病気の流行があった年代をみてると、やはり周期もありますが、その年代の運気を分析していないのではっきりはしていませんが、そのうちやってみます。(苦笑)

    今年は・・・金は大過、司天は君火、在泉は燥金ですので
    まだまだ気をつけないといけない年かな?というところです。
    今年は全体的に寒暖差も大きく、年の最後は寒いのかな?と考えているところです。(今のところ寒暖差は大きい感じです)

    むずかしいね〜

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