霊枢「水脹篇」

「水脹、皮脹、鼓脹、腸たん、石か、石水は診断する上でどのように識別するのか?」
・水脹病が始まる時は、病人の下まぶたがかすれて腫れて、ちょうど寝起きの時のようになる。その人迎脈ははっきりと拍動し、常に咳をし、太股の内側が寒く、脛の部分が腫れ、腹が腫れて大きくなります。
これらの症状があらわれれば、水脹病となっており、手で腹を押さえて離すと、手に連れて腹が戻り、ちょうど水を入れた袋を押さえたのと似ています。

「皮脹はどのように診断するのか?」
・皮脹病は寒邪の間に侵入することによって、臨床上では腹が脹れて大きくなり、叩いてみると太鼓の中が空っぽであるように実しておらず、全身が腫れ、皮膚が厚くなり、手で腹を押さえると窪んでしまい、手に連れて戻らず、腹部の皮膚の色に変化がありません。

「鼓脹の証候とは?」
・腹が脹れて大きくなるのと全身が腫れて脹れるのとに関しては皮脹病と同じですが、鼓脹の皮膚の色は青黄色で、青筋がはっきりあらわれる。

「腸たん病の証候とは?」
・寒邪が侵入した後、腸の外部にとどまり、衛気とぶつかり合って、衛気の正常な運行を妨げ、その結果邪気がとどまり、瘀血がたまって通らず、腸の外部に付着して、病邪が日に日に成長して、贅肉が生じます。
この病のはじめは贅肉が鳥の卵ぐらいの大きさで、それからだんだん長く大きくなり、腸たん病となってしまうと、妊娠したようになり、長いものでは数年間患います。
手で患部をなでると堅く、押すと動かすことができますが、月経は時期通りにきます。

「石か病の証候はどのようなものか?」
・石かは子宮の内部にできるもので、寒気が子宮の入り口に侵入することによって、子宮の入り口を閉じさせ、気血がスムーズに流れなくなり、悪血が排泄されず、そのため凝り固まったかたまりが子宮の内部に停滞す、だんだん長く大きくなり、その形は妊娠したようになり、月経が時期通りに来なくなります。
こうした病は女性に生じ、治療は凝縮した瘀血を取り除くようにすべきです。

「皮脹と鼓脹は刺鍼で治療はできるのか?」
・まず、鍼で鬱血した絡脈を瀉し、その後でもう一度経脈の虚実によって処理しますが、必ず血絡の中の悪血を刺して除くことを主としなければいけない

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