難経「第五十七難」五泄の証状と名称を論ずる
「泄瀉は何種類あるか?いずれにも名称があるのか?」
・泄瀉は五種類に分かれていて、その名称は各々の異なっている。
胃泄、脾泄、大腸泄、小腸泄、大瘕泄があり、これはまたの名を後重という。
胃泄の証状は、飲食物が消化しないで排泄され、その色は黄色
脾泄の証状は、腹が脹満し、水が注ぐように突然下り、飲食が喉をすぎると、即座に嘔吐し、胃気が嘔逆して下がらない。
大腸泄の証状は、食べた後で腹が急にさしこむように痛んで便意をもよおおし、排泄された大便の色は白く、腸がゴロゴロ鳴り、刀で切られたようにキリキリと痛む
小腸泄の証状は、大便の中に膿血がまじり、下腹が痛む
大瘕泄の証状は、腹中がひきつれ痛み、肛門が下がるような感じがして、何度も便所に行くが便は出そうで出なく、そのため陰茎の中まで痛くなる。
これらが五泄の証状である。